自分の確かな技術だけで、着物業界・和裁業界に貢献する!
着物は手縫いで仕立てられるものが多く、その仕立てを担うのが「和裁士」という専門の職業です。
綺麗な着物の生地を着物の形にできるのが和裁士で、着物業界を支えています。ここでは、この「和裁士」という職業について、仕事内容など、ご紹介します。
【着物の仕立て職人である和裁士のおしごと、イメージ動画】
【和裁士の手元拡大動画】
和裁士は針仕事のプロと言える職業です。基本的には自分の技術と針のみでさまざまな着物を仕立てます。
浴衣や振袖、七五三の祝着、訪問着や紬など、多くの種類があり、その着物は人生の節目や特別な場で着ることが多いです。
そんな場を陰ながらお手伝いするのが和裁士です。
反物(生地)から着物に仕立てることがメインの仕事ですが、古く想いの詰まった着物のリフォームやリメイクもします。
例えば、近年、お母さんの振袖を直して娘さんが成人式に着ることも増えました。その際、和裁士が寸法を直したり、裏地を新しいもの換えたりします。
また、呉服業界だけでなく舞台衣装、お坊さんの法衣の業界などで活躍できます。
和裁の展望
日常着られていた時と比べ、着物を着る機会が減った現在ですが、成人式や卒業式、七五三やお祭りなどの行事では着られることも多いです。
また、観光地でのレンタルして着られたり、茶道や日本舞踊など習い事で着たり、冠婚葬祭や仕事で着られる機会もあります。決して無くなることのない日本の衣装が着物です。しかしながら着物の需要が減っている以上に減っているのが和裁士で、そのため着物を手縫いで仕立てる技術がしっかり身に付いてさえいれば、仕事があるというのが現実です。
どんな人が和裁に向いているか
〇ものづくりや裁縫、手芸が好きなあなた
「手先か器用だね」と言われたことがあったり、手芸が好きな方、
作業中は「シーン!」とした当校の静かな教室で縫うことで、自分のものづくりに対する集中力、精巧なものをつくりあげる技術力を存分に発揮できます。
〇着物が好きなあなた
和裁技能士(和裁士)がいるから、着物の形になる。培った自分の技術で好きな着物を仕立てる仕事に。
和裁の大きな特徴の一つは、一人で黙々と作業することです。自分ひとりで完結したい、自分のペースで仕事がしたい、在宅ワークしたい、そんな方は向いています。また、針仕事なので、手芸やモノづくりが好きな人、コツコツ作業を進められる人も向いています。もちろん、着物好きや「和」が好きな人も向いています。
卒業後に所属できる系列企業の辻村和裁研究所ではどんな仕事をしているの?
在学中に国家和裁技能検定を取得し、系列の辻村和裁研究所に所属し、着物の仕立ての仕事をします。
国家和裁技能検定は1~3級まであり、令和4年の実績で1~3級合計24名合格(27名が受検)し、合格率は88.8%です。
この令和4年、全国合計で220人が1~3級を受検し、118人が合格(合格率53.6%)。
この数字をみても、
・全国平均と比べ当校の合格率の高さ
・合格者の全国に占める割合の高さ(全国の合格者の20.3%が当校の学生)が分かります。
そうした即戦力の和裁士を育成していますので、卒業後、学校と同じ敷地にある辻村和裁研究所で仕事ができます。
1枚の着物を綺麗に仕立てさえすればよく(簡単ではないですが・・・)、その他の納品作業や仕事の営業等の得意先との直接交渉も行う必要はありません。
和裁だけに集中できます。
また、分からないことがあれば学校の先生や先輩に聞いて仕事を進めることができます。将来的に自宅で縫うこともできます。
「和裁の展望」でも記載したとおり、全国的にみても高いレベルにある辻村和裁研究所は技術力がありますので仕事はあります。
さまざまな呉服企業から、あるいは消費者から直接しごとの依頼がありますので、仕事面の心配はありません。
では、辻村和裁研究所に所属している人は、どんな流れで今の仕事をしているか簡単にご紹介します。
仕事例①
4年制の師範科卒業。
その後も学生寮に住みつづけながら、学校の3Fの卒業生専用の仕事部屋で辻村和裁研究所所属の和裁士として、着物の仕立てをする。
国家1級和裁技能士の資格を取得。その後も継続して着物の仕立ての業務を行う。
仕事例②
4年制の師範科を卒業。
自宅から通って通学していたのでそのまま自宅から学校の3Fの卒業生専用の仕事部屋に通い辻村和裁研究所所属の和裁士として、着物の仕立てをする。
国家1級和裁技能士の資格を取得。
その後、結婚・出産し、住まいも変ったので、反物を郵送してもらい、自宅で仕立ての仕事をし、できあがったものは辻村和裁研究所に送付。
仕事例③
5年制の高等師範科を卒業。
1年間、自宅から学校の3Fの卒業生専用の仕事部屋に通い辻村和裁研究所所属の和裁士として、着物の仕立てをする。
その後、自分がやりたかったことを1年間行い、着物の仕立てから離れる。
1年後復帰し、着物の仕立てを行う。
仕事例④
4年制の師範科を卒業。
自宅から通って通学していたのでそのまま自宅から学校の3Fの卒業生専用の仕事部屋に通い辻村和裁研究所所属の和裁士として、着物の仕立てをする。
国家1級和裁技能士の資格を取得。その後、着物の仕立てではなく、着物用のコートの仕立てが向いているので、基本的にコートの仕立てに従事する。
(同様に着物の仕立てではなく、着物のリフォームやリメイクの仕事に従事する人もいます。)
【その他の仕立てに関連する仕事】
仕事例⑤
5年制の高等師範科を卒業。
“着物を縫う”ことの職業に付かず、“歌舞伎の衣装を縫う”東京にある松竹衣裳に就職する。
以降、歌舞伎・時代劇・お祭り等衣装の仕立てを行う。
仕事例⑥
4年制の師範科を卒業。
自宅から通って通学していたのでそのまま自宅から学校の3Fの卒業生専用の仕事部屋に通い辻村和裁研究所所属の和裁士として、着物の仕立てをする。
国家1級和裁技能士の資格を取得。その後、辻村和服専門学校の和裁教員になり、和裁業界のために学生の指導にあたる。
まとめ
「和裁士」という職業は知らな人も多く、馴染みの少ない職業です。
しかし日本の衣装である着物の文化を支えている不可欠な存在です。モノづくりや手芸が好きで手に職を付けたい、日本の文化を守りたいという人はより深く当校のオープンキャンパスで「和裁士」を知ってみてはいかがでしょうか。
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